「介護福祉士等養成奨学金」の2024年度奨学生で、現在「介護福祉士」「作業療法士」を目指している奨学生の声をご紹介いたします。
介護福祉科・専門学校2年生(ミャンマー出身 留学生)【26歳・大阪府】
Q.日本での暮らしや学校での勉強について、どう感じていますか?
来日当初は、家族から離れて暮らすことにも勉強にも不安はありましたが、今は、学校の先生たちのおかげで特に不安に感じていることはありません。
1月の国家試験に向けて勉強を頑張っています。休日は友達と旅行に行って、日本での暮らしも楽しんでいます
Q.介護福祉士という職業について、どのようなところに魅力を感じていますか?
利用者さんが「ありがとう」と言ってくれたり、利用者さんの笑顔を見ると自分が役に立っていると感じられるところです。
今現在は障がい者施設においてショートステイでの身体介助等のアルバイトをしています。アルバイトの経験から、卒業後も同じ施設もしくは同じようなところで働きたいと思っています。つらいと思うことも時々はありましたが、利用者さんの笑顔を見るとその気持ちもなくなりました。
Q.将来の夢や目標を教えてください。
知識をたくさん持った介護福祉士になりたいと思っています。
ミャンマーでは介護施設のようなものはあまりなく、各家庭でケアをしています。将来的にはミャンマーに帰り、施設などで介護福祉士として働きたいです。
今は家族と離れて寂しさもありますが、自分の将来のために頑張っています。
Q.これから介護福祉士を目指す後輩に、メッセージをお願いします。
介護福祉士は心身ともに強くないとできない難しい仕事だと思いますが、やりがいのある仕事だと思います。みなさん、頑張ってください。
介護福祉士科・短期大学2年生【21歳・奈良県】
Q.いつ頃から介護福祉士を目指すようになりましたか?きっかけはありますか?
将来の夢に悩んでいたのは、中学生の頃。その頃に、祖父が介護老人保健施設に入所しており、面会に行った際、介護福祉士の方がたくさんの利用者さんの介助をしている姿を見て、『かっこいいな』と思ったのがきっかけです。そこでは当時、夏祭りのイベントも開催されていて、楽しそうに働かれている姿を見て憧れるようになりました。
そのことがきっかけで、高校も福祉学科のクラスに入学しました。介護の実習はコロナ禍で出来なかったのですが、保育も勉強できるクラスだったため、保育園に行ってレクリエーションをするなど、人前に出て活動する力が身に付き、大学に入ってからも活かされていると感じます。
Q.どういった授業、実習が難しいと感じていますか?
実習先では受け持ちの利用者さんと早く打ち解け、思い出話に耳を傾けながら、そこで得た情報を介護計画等に繋げていく必要がありました。信頼関係を構築することと、利用者さんにあった支援を考えることは大変難しいことだと感じました。知識面では、介護の法律関係で覚えることが多く大変だと感じました。
Q.ICTや介護ロボットなどを導入し、活用している施設というのはどのように思われますか?
実習先では、夜間、利用者さんの睡眠状態や心拍数などをモニターしたり、日中は、部屋に在室しているかなどのチェックを行う見守りシステムを活用されていました。
ICTの活用で、時間短縮や業務効率に繋がり、そこで生まれた時間を活用し、利用者さんと向き合う機会が増えるほうが良いと思うので、個人的にはICTを活用している施設はいいなと思います。
Q.将来の夢や目標を教えてください。
介護福祉士の資格を取得し、高齢者施設に働くことが夢であり、利用者さんの心身に寄り添って、信頼してもらえるような介護福祉士になることが目標です。
作業療法士科・専門学校3年生【22歳・宮崎県】
Q.3月で専門学校をご卒業される予定ですが、今の素直な気持ちや学習状況、不安に思っていることを教えてください。
1~2年生の期間は、机上学習が多かったのですが、3年生になり、臨床の現場で6ヶ月間の本格的な実習がありました。
実習時は、現場の作業療法士さんと関わりながら、実践形式でたくさんの体験をしました。
実習等を通じて感じているのは、これから就職し、自分自身が実際の現場で作業療法士となって働くということは、たくさんの人の人生に関わり、そこに責任が伴ってくるということ、さらに、患者様に寄り添って最後までやり遂げる覚悟が必要であり、その責任の重さに少し不安を感じているところです。
Q.特に難しかったと感じる授業はどのような内容ですか。
予算内で自助具を制作するという授業がありました。予算の中で、リハビリもしくは日常動作が楽になる自助具を考えて制作するというものです。
私は、脳出血等で片麻痺になった方をイメージし、その方がジッパー付の上着を閉めるための自助具を考えました。授業では制作したものについての発表も行いました。
難しかったと感じるのは、予算がある中で素材(肌に優しいものか)などを考慮して作る必要があったことです。似たような既製品がある場合もありますが、ご本人やご家族に、身近にあるもので代用できることを提案したりすることも大切なことだと感じました。
Q.作業療法士という職業について、どのようなところに魅力を感じていますか?
作業療法士と似ている職業に理学療法士がありますが、どちらも身体障がい者や高齢者、さらには骨折や病気等で思うように体を動かせなくなってしまった方に対して、日常生活をスムーズに送るための支援を行うリハビリテーション職ですが、作業療法士はこれに加えて、食事や入浴、歯を磨くといった応用的動作のリハビリも行います。
さらに身体的機能だけでなく、「心」に対しても治療を行っていくのが作業療法士です。
現状から、本人が望まれている姿に戻してあげる(近づけてあげる)ことができる点が魅力だと感じています。
Q.どのような作業療法士になりたいですか?将来の夢や目標を教えてください。
作業療法士のところには、何かしら障がいを持っている方、高齢者の方、体が不自由な方が来られます。その方たちは、「ここに来れば治るんだ!」という希望をもってこられる方が多い一方で、中には「もう無理だ」と半ば諦めている方もいます。そういった方を含め、リハビリ室に来られた方には少しでも笑顔になって帰ってもらいたいと思っています。私はそういうことができる作業療法士になりたいです。